1985年の初来日で日本と日本の食文化と出会ったピエール ・ガニェールは、そこから多くのことを学び、料理に対する自身の考え方を一層深めました。器と料理の調和を追求することに、意義を持つようになりました。
彼によれば、日本の料理は、もてなしからメニューが印刷 された紙にいたるまで、部屋の照明や温度も含め、総合的な体験としてとらえられます。妥協は一切ありません。おもてなしの術が日本人のメンタリティに深く根差しており、それが真の哲学となっています。非の打ち所がないサービスという概念を超えた、招待客が意識する前にその要望を汲み取る能力です。
日本人がフランスに旅行するようになった今、日本のフランス料理の名店に行くのは、美術館に行く感覚で、フランス料理とは何かを発見するためではありません。彼らはよい時間を過ごすために来るのです。
日本人はフランス料理とその風味を愛する、真の食通です。だからこそさらなる高みを目指し、作るものに真摯に取り組み、注意を向けていかなければなりません。
ピエール・ガニェールは、日本人シェフ、三國清三に尊敬の念を抱いています。三國清三は日本および世界に知られる偉大な料理人であり、フランスの食品とその品質を伝える伝道師として誰もが認める存在です。
同時に、フランスに学び、その後日本でフランス料理術の技法を伝え広める若い日本人シェフにとっても、師と仰 がれる存在です。
東京の「ピエール・ガニェール」のミシュランガイド星つきレストランは こちらをご覧ください。